旋光性とか光学活性とか聞くけど忘れてしまうこととか多いですよね。

なんかR/Sと関係していて、たんぱく質関係だとD/Lになるとかなんとか。

今回はこのような関係性をはっきりさせてまとめました。


光学活性

光学活性とは光の振動を回転させる性質のことを言います。

旋光性とも言われます。

そもそも光は粒子性と波動性を兼ね備えており、基本波として考えるので三角関数のように振動しています。

その光を偏光子という細長い隙間をもつものに通すと、その細長い隙間と同じ方向に振動している光だけが取り出せます。

その光を平面偏光と言い、平面偏光を光学活性なものに当てるとその振動方向が回転するということです。

この回転には右回転と左回転があり、右回転を右旋性、左回転を左旋性といいます。

右旋性は英語でdextrorotatoryと書くため「d-」で表されたり「(+)-」と表されます。

左旋性は英語でlevorotatoryと書くため「l-」や「(-)-」で表されます。


この光学活性という性質はキラル化合物によくみられるために、光学活性と聞くとR/Sが連想されるというわけです。

しかし注意すべきなのはキラル化合物すべてが光学活性を持っているわけではないということです。

キラル中心を持つのに光学活性をほとんど示さない化合物も存在します。


アミノ酸の光学活性

DL表記法

天然のアミノ酸はすべてL型と言われます。

このL型というのは以下のように側鎖Rが手前にあるとき、右にカルボキシ基、左にアミノ基がある構造のことです。



カルボキシ基とアミノ基が入れ替わるとD型になります。

DLとRSの関係

アミノ酸は全てL型で、ほとんどがS体です。

このほとんどというのは、唯一システインだけがL型でR体なのです。




そのためDLとRSは対応しているわけではありません。

そして最近RS表記に統一する動きがある中でアミノ酸だけはDL表記で表される理由がこれです。

アミノ酸をRS表記にするとシステインだけR体になるために統一できないからです。

DL、RS、旋光性の関係

RSは原子番号の順位がどっち回りかを表していることはここで説明しました。

そのためRSは旋光性とは関係ありません

そしてDLも旋光性と関係はありません

アミノ酸がシステイン以外L体ですが、旋光性はlやdのものが両方混在します。

そのためDL,RS、旋光性は全て対応しないです!!


まとめ

DLとRSと旋光性のdl(+)(-)ってごっちゃになりますよね。

今回理解してほしいことは全部関係ないってことです。

しかし、D型がR体でlだった場合は、不斉点が1個の場合、異性体はL型でS体のdとなります。

不斉点が一個の場合は異性体ではすべての性質が逆になります。

これは注意してくださいね。