ギルマン試薬(リチウムジオルガノクプラート)のマイケル付加(1,4-付加)の反応について考える。

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 この反応は二重結合にハロゲンがついた化合物とギルマン試薬の反応と似ている。

ブロモスチレンとギルマン試薬の反応は以下のようになる。

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このとき銅は横からではなく上下方向から接近している。

そのため、同様にしてギルマン試薬は二重結合に酸化的付加(OA)して銅が結合し、その後銅からメチル基が結合の入れ替わりによって結合する還元的脱離(RE)を起こすだろうと考えられる。

よって以下のように反応すると考えた。

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しかしこれだと二重結合が残ってしまう。

 

実際は以下のように反応するという。

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これじゃあただの銅の求核攻撃じゃねって思ったけど、銅がI→IIIに酸化されて付加してるから酸化的付加ではあるのか。

 

そう理解しながらもやはりもやもやするので調べてみた。

 

すると二重結合が残ってしまった後にLi+と反応して電子が移動しているだけっぽいことがわかった。

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このように反応するのだと思われる。

銅と二重結合のπ錯体を省略しているのでもう少し複雑な錯体を形成しているかもしれないが、大体こんな感じだと思う。

すっきりした。

 

あと私は構造と名称が頭の中で結びついていないことが多いので、

エノラートとは二重結合に酸化物イオンがくっついたもの

ということをしっかり頭の中に入れたいと思う。

 

 

 

参考

www.chem-station.com