【わかりやすい物理】フレミングの法則を使わないで磁場による力を求める解き方
中学の理科で学ぶものにフレミングの左手の法則があります。
これは磁場中に流れる電流に加わる力であるローレンツ力がどの向きにかかるかを手の形で覚えるというものです。
これを覚えることによって電流・磁界に指の向きを合わせて力の方向を求められますよね。
しかし手の形をうまく合わせられなかったり腕を捻ったりして大変ですよね。
そこで別の考え方を紹介します。
この考え方であれば頭の中で力が加わる向きを考えることができます。
右ねじの法則
どんな方法かというと右ねじの法則を使う考え方です。
右ねじの法則とは電流の進む方向に対して右回転に磁場が生じるというものです。
右ねじの法則を念頭に置いて以下の図を見てみてください。
外部磁場がオレンジの矢印、電流が青色、電流から生じる磁場が緑色の矢印です。
このような状況の時、電流による磁場と外部磁場が赤い丸の方向で打ち消し合います。
このとき、打ち消された電流による磁場を補おうとして電流は水色の方向に力が加わるのです。
力が加わる理由
そもそも電流の周りに生じる磁場は以下の図のように電流に近いほど強く、多くなります。
そして磁場が弱いところを補おうとする性質があるのです。
これはレンツの法則のように、外部からの変化を妨げようとする、すなわち変化しないようにする性質があるということです。
そのため、外部磁場によって打ち消された電流による磁場を補おうとし、電流に近い部分のより強くて多い磁場で近づけるため、 磁場が打ち消される方向へ電流に力が加わるということです。
フレミングの右手の法則
フレミングの右手の法則というのもあります。
これは磁場中を運動する導体にかかる電圧の向きを手の形から知る方法です。
これは導体内の電子の運動をフレミングの左手の法則に適用することで求めることもできます。
すなわち、これも右ねじの法則から求められるということです。
導体内には電子があり、導体が動く方向へ電子も運動します。
そのため電子の運動する方向に対して右回りに磁場が生じます。
すると電子による磁場と外部磁場が打ち消す方向と逆方向へ電子が移動します。
これは電子が負の電荷だからですね。
多くの電子がその方向へ移動することによって導体内に電場が生じます。
その電場の方向が起電力の生じる方向というわけです。
これはもっと単純化して考えることができます。
導体が動くとプラスの電荷が導体と同じ方向に動きます。
そのためプラスの電荷が動く方向に対して右周りに磁場が生じ、その磁場と外部磁場が打ち消す方向へプラスの電荷が動き、その方向へ電流が流れようとします。
その流れようとする方向が電場の向きであり、起電力の向きとなります。
(色はさっきと異なります。)
まとめ
フレミングの法則を使わなくても右ねじの法則だけで考える方法を紹介しました。
私もこの考え方を使ってきたため、テスト中に手をぐるぐる回転させて指の向きを合わせようとしないで頭の中で解けるようになりました。
指に電・磁・力とか対応させて覚えなくて済むので便利だと思います。
ぜひこの考えを取り入れて、暗記する内容を減らしていきましょう。
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