雲が白くて海が青いのはなぜ?
前回、空が青い理由について説明しました。
空が青い理由がわかると他のものがなぜその色をしているのか知りたくなってきませんか。
そこで今回は雲が白い理由と海が青い理由をまとめました。
これもただの説明だけでなく、原理を思い出せるように事柄をつなげて説明していきたいと思います。
雲が白い理由
実は、雲が白い理由は空が青い理由を知っていると自分で考えて答えを出すことができます。
ヒントは光の散乱です。
少し、考えてみてください。
考えましたか?
では答え合わせです。
まず雲とは何でしょうか。
雲とは水蒸気が水滴になって集まったものです。
小さな水滴がたくさん集まって雲を形成しているのです。
その水滴は空気中の分子より大きいです。
なぜなら水滴は水分子の集まりであり、空気中で酸素分子や窒素分子は集まっていないでばらばらになっているからですね。
空の青さは光が空気中の分子にぶつかって散乱することで波長の短くより散乱しやすい青い光が特に散乱され人間の目に入りやすいからでした。
その空気中の分子より大きい水滴に光が当たるとどうなるでしょうか。
答えは赤い光も青い光も全部散乱されて、可視光すべてが散乱されて合わさることで白い光となり、それが目に入ることで雲が白く見えます。
波長が大きいと小さいものにはぶつかりにくくなることを前回説明しましたが、今回は水滴が大きいもののために可視光の範囲で波長が大きくてもぶつかってしまうということですね。
海が青い理由
では海が青い理由は何でしょうか。
雲と同じように考えると、海も雲と同じように水分子の集まりだから光が散乱されて白く見えるのでしょうか。
違いますよね。
これは雲が小さな水滴がたくさん集まってできているのに対して、海は大きな水滴、すなわち大きな水の塊であるという点が異なります。
この違いがどう影響するかというと、雲のような水滴の集まりでは水滴との間に隙間があるので、散乱された光が空気中に逃げて水滴から離れることができます。
一方、海の場合は水分子がぎっしり詰まっているために光が水の中に入るとその中で散乱しても空気中に逃げづらく、ずっと水の中で散乱し続けます。
ここで水中の水分子について考えてみます。
水分子の動き
水分子ってどんなものだったでしょうか。
水分子は酸素原子と水素原子がくっついてできたものですよね。
こんな形をしています。
実はこの水分子、水の中をこの形のまま動いているわけではないんです。
水分子はぶるぶる震えているんです。
この震えのことを振動と言います。
この振動にはいろんな種類があります。
wikipediaではこの動きをアニメーションで見れます。
水分子はこのようにぶるぶる振動していることによってエネルギーを持っています。
この振動の動きが激しいほど大きなエネルギーを持つことになります。
そして水分子は光からエネルギーを吸収して振動のエネルギーに変えることができるのです。
振動による動きは、小さくぶるぶる震えているだけなのでエネルギーは小さいです。
エネルギーが小さいということは、吸収する光のエネルギーも小さく済みます。
すなわち、エネルギーの小さい光、長波長の光を吸収します。
そのため可視光の長波長である赤やオレンジ色の光を吸収します。
すると吸収されていない色、すなわち青色の光が残ります。
よってこの原理より、海の水は光から赤系の色を吸収し、青系の色を通り抜けさせるので青色に見えるのです。
まとめ
雲は空が青い理由と同様光の散乱から考えることができました。
そして海は散乱だけでなく、光の吸収もすることから青色に見えることがわかりました。
雲の色は空の色の理由を思い出せればすぐに思い出せると思います。
海が青い理由は以下のように覚えるといいかもしれません。
海が青い
→青く見えるということは赤やオレンジ色の光がないからだ
→赤系の色が海の水に当たって消えたということは水がその光を吸収したんだ
→赤い光はエネルギーが小さいから何か小さな動きに使われたんだ
→小さな動きと言えば水分子の振動だ
このようにして、水分子の振動に赤い光が使われて、青い光が残ったから海は青いんだということが思い出せるようになったと思います。
身の回りの現象について何か疑問に思うことがあったら、調べてみると面白い発見ができるかもしれませんね。
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