Excelで行列計算する方法【方程式の解き方】【Wordで行列を書くには】
Excelでは行列計算をすることができます。
行列計算ができれば複雑な方程式も簡単に解くことができます。
今回はExcelで行列を使って方程式を解く方法をまとめました。
行列とは
簡単に行列について説明しておきます。
行列とは数字を行と列に並べた配列のことです。
すなわち、縦と横に並べた数字のまとまりのことです。
表記の仕方としては数字を並べたまとまりを括弧で囲います。
以下のような感じですね。
括弧は丸括弧でも角括弧のどちらでもいいです。
そしてこのまとまりの中の数字一つ一つを要素と言います。
行列ではこれらの要素を一気に計算することができて便利です。
行列の足し算
excelで行列の足し算をするときは以下のようにします。
- 足したい行列をセルに書く
- 足した行列を表示したいところのセルを選択する
- 「=」を押して一方の足したい行列を選択し、「+」を押してもう一方の行列を選択する
- 「ctrl」+「shift」+「enter」を押す。
手順通りにやるとこんな感じになります。
「ctrl」+「shift」+「enter」を押すというのは、計算結果を行列として入力するということです。
こうすると計算式が「{」「}」で囲われて配列として扱われます。
ただ「enter」を押してしまうと、一つのセルにそのセルに対応した要素の和が表示されるだけになってしまいます。
行列のかけざん
行列の掛け算は少し難しいです。
要素同士をただ掛け合わせるわけではないため、足し算のときの「+」を「*」にするだけではできません。
行列の掛け算は左の行列の行(横)の成分と右の行列の列(縦)成分の掛けて足し合わせます。
すなわちこんな感じです。
MMULT関数を使います。
使い方は以下の通りです。
- かけたい行列を書く
- かけた行列を表示したいところのセルを選択
- 「=MMULT(行列1,行列2)」と入力。(行列の部分はかけたい行列を選択)
- 「ctrl」+「shift」+「enter」を押す。
手順通りにやるとこんな感じになります。
方程式を解く
Excelで行列を使うと方程式を簡単に解けると説明しました。
その前に行列で方程式を解く仕組みについて説明しておきます。
逆行列と単位行列
行列には逆行列というものがあります。
逆行列とは行列にかけることによって単位行列にすることのできる行列のことです。
この単位行列というのは成分の番号が行と列で同じ要素が1で、それ以外の要素が0の行列です。
すなわち、数字に対してその数字を分母にした逆数が逆行列、それらをかけて1となったのが単位行列に対応している感じです。
式にするとこんな感じです。
行列と方程式
方程式は行列で表すことができます。
変数の係数と変数を行列にまとめて掛け合わせ、定数を右辺の行列にまとめる感じです。
式として表すと以下のようになります。
この解を求める、すなわち行列xを求めるには先ほど説明した逆行列を使います。
逆行列を左からかけることによって簡単に解のすべてを一気に求めることができるのです。
式で表すと以下のようになります。
excelで逆行列を求めるにはMINVERSE関数を使います。
手順は以下の通りです。
- 方程式を係数、定数それぞれ行列にまとめる
- 逆行列を表示したいところのセルを選択
- 「=MINVERSE(係数行列)」と入力。係数行列のところは係数行列を選択
- 「ctrl」+「shift」+「enter」を押す。
- 前に説明したように、係数行列の逆行列と定数行列を掛け合わせる
例として以下の方程式を解いてみます。
これをExcelで解くと以下のようになります。
まとめ
Excelで行列を用いて方程式を解くことができました。
本当はそもそも方程式が解けるかどうかを行列式が0でないことから確認する必要があるのですが、解ける方程式という前提で計算しました。
ちなみに行列式の計算はMDETERM関数で「=MDETERM(行列)」と書き、Enterを押すだけです。
行列式の計算結果は行列ではなくスカラー、すなわちただの数字となるためEnterだけでいいです。
行列が苦手な人でもこの記事を読んで少しでも理解を深めてもらえたら嬉しいです。
Wordで行列を入力するには
あとwordで行列を入力する方法を知らなかったのでこのサイトが役に立ちました。
まとめとくと
- 「\matrix」と入力してスペース
- 「(@)」で行の追加、「(&)」で列の追加です
※\matrixの後に括弧でくくらないと使えません。
またパワポの数式だとうまくいかないようです。
例:
(\matrix(@&))
これでエンターかスペースを押すと2×2の行列ができます。
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