特許とは?
特許とは何でしょうか。
何かすごい発明がされた時によく聞く単語ですがなんとなくしか知らない人も多いと思います。
そこで今回は特許についていったい何なのか、どんな仕組みがあるのかまとめていきたいと思います。
特許とは
特許とは技術内容を保護することで発明の意欲を高め、産業の発達を促進する制度のことです。
特許を取ることでその技術に対する権利を一定期間独占することができます。
そのため多くの企業は雑誌論文に発表する前に特許として出願することで市場で有利に進めようとします。
論文と特許の割合としては特許が3割も占めます。
特許の分類
特許は知的財産権の中の産業財産権の中に含まれます。
その中の産業財産権は特に産業の発達を目的としたものです。
その中に特許権があり、特許権は一般に20年間有効で、一部医薬品などは25年間有効となります。
特許権を取得できるものとしては、自然法則を利用し、新規性・進歩性のある産業場利用可能な発明に限ります。
すなわち新しくて技術の発展に貢献し、実用的な発明でないといけないということです。
他の権利についても簡単に説明しておくと、実用新案権は発明には及ばない考案に対して与えられる権利です。
商標権は商品の名称に対して、意匠権はデザインに対する権利です。
産業財産権と並んで著作権がありますが、これは特に文化の発展を目的としたものです。
そして産業財産権と大きく違うところは、出願・登録が不要な無方式主義である点です。
そのため出願をしなくても作品を作った瞬間にその作品には権利が生じることとなります。
特許の流れ
特許についてわかったところで、実際に特許を取るにはどうしたらよいのでしょうか。
その流れについて説明します。
特許を取るにはまず出願しなければなりません。
出願とは発明の内容を記した文書である明細書を特許庁へ提出することです。
その1年6か月後に出願内容が公開されるのですが、そのあとに出願審査の請求をします。
すると審査され、審査を通って特許料を納付すると特許として登録されます。
そのあと特許公報として特許として公開されます。
世界の特許制度
特許は国が発明者に対して権利を与えます。
そのため国によって制度が違うことがあります。
ここでは代表的な国として、日本と欧州、米国を挙げます。
先願主義とは先に出願されたものを優先する主義で、先発明主義は先に発明されたものを優先する主義です。
こう見るとほとんど同じですが、アメリカだけ違いますね。
アメリカは2013年まで先発明主義でしたが、先願主義になりました。
しかし審査請求制度においてはアメリカだけ「なし」となっており、審査請求をしなくてもすべてのものについて審査することとなっています。
特許の歴史
実は日本も先発明主義だった時などがあります。
まず特許という制度が始まったのは1474年のことで、ヴェネチア共和国の発明者条例という制度から始まりました。
この制度を使った人として有名なのがガリレオです。
日本に特許制度が入ってきたのは1885年でした。
そして1921年に先発明主義から先願主義となりました。
1899年にはパリ条約が締結され、1978年には特許協力条約(PCT)も結ばれました。
国際的な特許制度
特許の歴史に出てきたものとしてパリ条約とPCTがありました。
この2つは特許を出願した国だけではなく世界的にもその権利を認めやすくしようという制度でした。
パリ条約
パリ条約では特許における優先制度が含まれていました。
自国に出願してから12か月以内に加盟他国に出願すれば、その出願は最初の出願日に出願した扱いとなるという制度です。
特許協力条約(PCT:Patent Cooperation Treaty)
PCTとは、自国に出願すると加盟他国全てに同時に出願したことになるという制度です。
その代わり、出願30か月以内にそれぞれの国が要求する言語の明細書を提出する必要があります。
特許の構成
このように特許の制度と流れについて説明してきましたが、具体的に特許とはどういうものなんでしょうか。
特許の構成について簡単にまとめました。
特許は大きく分けると以下の2つから構成されます。
・フロントページ
ー書誌情報
ー発明の名称
ー発明の要約
・本文
ー特許請求の範囲
ー発明の詳細な説明
フロントページ
フロントページとは特許の最初の方に書かれている内容のことです。
主に書誌情報や発明について簡単にまとめたものが書かれています。
本文
本文は特許の中身です。
特許を得た発明の具体的な説明とともに、特許としてどこまでの権利を有するかの範囲が示されています。
その範囲を表すとき、化学の分野では化合物をMarkush(マルク―シュ)構造で表されます。
マルク―シュ構造とは置換基をRで表すことで似た化合物も特許に含めることができます。
マルク―シュ構造を使うことで特許範囲を広げられるほか、競争相手に対して具体的な成分を教えないで曖昧にしておくことができます。
特許を見るには
特許の原文はネット上で見ることができます。
その具体的なサイトとして以下のサイトがあります。
・特許情報プラットフォーム
・US Patent and Trademark Office
・European Patent Office
まとめ
特許について簡単に説明しました。
特許について詳しく知っている人は多くないと思いますが、知っていれば何かに役立つかもしれません。
例えば投資をするときに、あの企業が特許を取得したというニュースが流れたときにその企業に対して適切な評価を下すための判断材料となるかもしれません。
そのため、ぜひ特許について興味を持ったらもっと深く調べてみてください。
特許庁のサイトを示しておきます。
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