機器分析の特徴を知っていますか。

機器分析についてはこちらで触れましたが、要するに主に光で分析する方法です。

この種類や特徴についてまとめていきたいと思います。



種類

機器分析には以下のような種類があります。

  1. 電磁波分析
  2. 電気分析
  3. 分離分析
  4. その他として質量分析や熱分析

これは機器分析では原子を励起したあとその原子による光の変化から検出のですが、この励起と検出に様々な方法があるためです。
励起する方法として電子・イオン・光・熱によるものがあり、検出する方法として電子・イオン・光などがあります。

それぞれ方法が違うため、試料の対象や分解能が異なってきます。

分解能は一般的に
電子>イオン>光
の順で高いです。
なぜなら小さいものを使わないと小さいものは測れないからです。
表面の細かい形状を知るには、その細かい形状と同じくらいの大きさのボールを当てないと跳ね返り方が変わってきません。
電子は小さいのでより細かく分析することができます。

長所と短所

機器分析にはもちろん万能ではなく、長所と短所があります。

長所

  • 選択性が高い
試料の性質を信号としてデジタルデータにするため0と1がはっきりしやすいです。
  • 速い
  • 操作が容易
  • 自動化
機械がやってくれるので滴定による個人差なども生じにくく、ボタンを押すだけで簡単です。
  • 高感度
試料が少量で済みます。

短所

  • 標準物質による検量線を作らなければならない
  • 分析値の有効桁数が少ない
  • 高価
ものによりますが、数十万のものから数億のものまで高いものが多いです。
  • メンテナンスが必要
高価な機器を扱う分、その維持が必要となります。

性能

値段が異なってくると性能も異なってきます。
その性能としては以下のようなものが挙げられます。

  • 感度
  • 分解能
  • 速度
  • 正確さ
  • 精密さ

値段が高いほどこれらの性能も高くなってきます。

正確さと精密さ

正確さと精密さの違いについてもまとめておきます。

正確さとは分析値が真の値にどれだけ近いかです。


真の値とは試料の本来出るべき分析値です。

精密さとは分析値の分布がどれだけ狭いかです。




まとめ

機器分析にも種類があることがわかりました。
分析機器は高いので、実験でどの分析機器が必要かを見極める必要があります。
また分析依頼をするときも、自分の得たい必要を得るために自分で分析方法について把握しておく必要もあります。
機器分析への理解を深めて、適切な分析ができるようになりましょう。