カルボニル基C=Oに対してアミンが反応すると、Oの部分がNに置換された構造になることがあります。

この反応は、アミンのNの非共有電子対がカルボニル基のプラスに帯電しているCへ求核攻撃することによって生じます。

今回はその反応機構について電子の移動をまとめてみました。


イミンの生成

大まかな流れ

詳しい反応機構の前にざっくり反応の流れを把握しておくと理解しやすいです。

この反応ではアミンのNがカルボニル基のCに求核攻撃してくっつき、カルボニル基のOが水としてとれる脱水縮合反応です。

もっと簡単に言うとNがCにくっついて、Oが水としてとれます。



反応機構




まずアミンが求核攻撃するとカルボニル基が開いてOがマイナスに帯電します。
そこでプラスとなったアミンからHがOへ移動するプロトン移動が起きます。
酸触媒によってOHが水となり、水は脱離しやすいために脱離します。
このときNから非共有電子対が単結合に渡されて二重結合になります。
脱離した水がプラスのイミニウムイオンからHを取って反応終了です。


次はエナミンの生成について説明します。
エナミンは第一級アミンではなく第二級アミンの場合に生じます。
反応としてはほとんど同じです。

エナミンの生成

大まかな流れ

Oが水として脱離してNが二重結合になるところまでイミンの生成と同じです。
そこからNの二重結合が外れてC=Nの隣の炭素からHが取れて二重結合ができます。

反応機構

イミンと同じところは省略しています。


2級アミンの場合手放せるHがないためにα炭素のHが取れてNまで電子が移動して電荷が中和されている感じですね。
α炭素とは官能基の隣の炭素のことで、今回だとイミン(C=N)のCの隣の炭素のことです。
ちなみにα炭素以降はβ、γ、δ炭素と名付けられていきます。

応用

上記で説明したイミンやエナミンを生成する反応を応用すると環を作ったりすることができます。
例えばアミンが2つくっついたものとカルボニル基が2つくっついたものを反応させれば環が作れそうですよね。
こんな感じに。
これが実際にできるのかは知らないですけど。。


まとめ

イミンとエナミンの生成反応についてまとめました。
Nを使った反応はよく出てくるのでこの反応は抑えておきたいですよね。
電子やHの移動などの細かい部分を忘れてしまっても、ざっくりと全体の反応を理解しておくと補完して思い出せたりしやすいと思います。
今回の場合は最低でもC=OのOがNに置き換わることさえ覚えていれば反応機構を聞かれない場合は何とかなることも多いと思います。
有機化学の勉強は覚えることが多いですが、基本となる反応を覚えると他の反応にも応用が利くと思います。
そのため基本反応を覚えて少しずつ理解を広げていきましょう!