前回、目に見えない電波の存在を確認する方法を色々調べました。

身近なもので単純な構造で電波を光に、音に変えることはできないかと。

そして得た結論はゲルマニウムラジオキットを買うということでした。


やっぱキットですよ、キット。

完成が想像できないとなかなか手が付けられないですよ。

ということで100均の分解したものやカッターを火であぶったものなどは使わず、amazonで買ったキットからラジオを作ってみました。


ゲルマニウムラジオキット

新品価格
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中には

・わずかな電流でも音の出るセラミックイヤホン

・受信する電波の周波数を変えるポリバリコン

・電流を一方向に流すゲルマニウムダイオード

とかが入っていました。


あと簡単な説明書が一枚入っていたので、それを読みながら作ってみました。

全然わからない。。

音は一切聞こえない。。

amazonのレビューでは具体的な解決方法は書いてない。。


そこでとりあえず、ホームセンターではんだごてを買ってきて、今までテープで止めていた部分にはんだ付けしました。

それでも聞こえませんでした。

なぜなら・・・アンテナをつけていなかったからです!!



なんかアンテナとアースの部分が矢印だしよくわかんないから気にしなくていいんじゃねって思ってたからです。

そして説明書の裏面をよく読むと、330 μHのリードインダクタっていう部品のところに代わりに大きなアンテナコイルをつければ外部アンテナを必要とせずに受信できるって書いてありました。

アンテナコイルっていうのは箱に金属線をぐるぐる巻いて作れます。

ちょうどエナメル線が10 mくらい余っていたのでそれをてきとーな箱に巻いて、回路につなげてみました。

聞こえません。。

やっぱり箱の大きさと金属線の長さが足りないんだと思い、でかい箱と長い金属線を用意しました。

でかい箱はパソコンを買った時の箱、長い金属線は100均の針金入りビニールひもで。

箱の大きさは30 ㎝×40 cmです。

針金の長さは50 mです。

この針金入りビニールひもは電気を流すことを目的としていないため、電気は流してはいけませんと書いてありますが、今回はその辺をうようよ漂っている微弱な電磁波なので問題はないでしょう。


この針金を箱にぐるぐる巻きつけて回路につなぐと


聞こえました!!!

イヤホンを耳に入れてようやく聞こえる程度ですが、3局ほど聞くことができました。

いやーこの時はうれしかったですね。

なんせ電気を使わず音が鳴るなんてやっぱすごいじゃないですか。


なんか窓に近づくほど聞こえやすくなるってわけではなくて、部屋の特定の場所から聞きやすくなる感じでした。

また箱を立てる角度を変えても聞こえ方が変わるので、電磁波はこの方向から来ているのだなって感じに電波を感じることができました。


一応仕組みを書いておくと、

箱に針金を巻いたアンテナコイルの中に電磁波が通ることでコイルの中の磁界が変化し、レンツの法則により逆向きに磁界を作るように誘導電流が流れます。

ラジオの放送局から届いてくる電磁波は波であり、交流です。

そのためアンテナコイルの中の磁界の向きを交互に切り替えます。

すると電流も流れる向きが交互に逆になるため打ち消しあってセラミックイヤホンでは鳴りません。

そこでゲルマニウムダイオードという半導体を使うことで電流を一方向だけに制御します。

一方向だけの電流がセラミックイヤホンに流れることで、中にあるセラミックという無機物に電流が流れ、ぶるぶる震えるという圧電効果が生じて音が鳴ります。


ゲルマニウムダイオードとセラミックイヤホンを使う理由は、微弱な電流でも機能する性質を持つからです。

発光ダイオードや普通のイヤホンでは何か条件を変えない限り音は聞こえません。


こんな感じで電気を使わず音が鳴るゲルマニウムラジオを作ることができました。

参考になれば嬉しいです。