分子の相互作用でよく聞くものにCH/π相互作用やπ-π相互作用があります。

よく聞くけれどあまり理解していなかったので、ここに自分なりにまとめておきます。


CH/π相互作用


CH/π相互作用とは、分散力、静電力等によって炭素に結合した水素と芳香環のπ電子部位が引き合う弱い相互作用である。


静電力としては、水素よりは電気陰性度の大きい炭素によって水素の電子が引っ張られてややプラスとなり、それが電子豊富なπ電子と引き合う。
分散力としては、電子分布の瞬間的な偏りによって生じる部分電荷によって水素のs軌道とπ電子が引き合う。

ググっただけですが、ものによって相互作用に方向依存性があるとかないとか書かれていてはっきりとはわかりませんでした。
それによって広義では水素結合に含まれるとか含まれないとか。
相互作用する数が増えるほど強く相互作用するそうです。


π-π相互作用(スタッキング)


π-π相互作用とは、主に分散力によって芳香環のπ電子部位が重なるようにして引き合う相互作用である。


これは分散力の寄与が大きい理由がわかりやすく、芳香環の非局在化したπ電子では豊富な電子が動きやすいために電子の瞬間的な偏りが生じやすいからです。
π電子が積み重なるように相互作用するため英語で積み重ねるという意味のスタッキングとも呼ばれます。
重なるときに電荷的に反発力も生じるため、ベンゼン環がずれて相互作用することが多いらしいです。
また芳香環が垂直に、すなわち芳香環のHとπ電子で相互作用することをT-stackingというらしいです。
普通にCH/πでよくないですかね。


さいごに

こんな感じで複数の力が組み合わさっている相互作用だということがわかりました。
その力の寄与の割合や電荷的な反発力と相互作用のどっちの方が勝るのか、どんなふうにずれるのかも分子によって異なると思うので、知りたい構造に類似したものの論文を読むか計算、実験するしかない感じですかね。

参考