輪っかが一点でつながっている構造であるスピロの命名法についてまとめました。


手順

1.環全体を構成する炭素数を数えてその名前を後ろに書く。

2.環の結合点を除く炭素数をそれぞれ数え、小さい環の順に大括弧の中にピリオドで並べる。

3.結合点の隣の炭素で、小さい環から回るように数えて、置換基に番号を振る。

4.「置換基の番号と名前」+「spiro」「[環の炭素数.〃]」+「アルカン名」の順で名前を付ける。


置換基はアルファベット順に並べ、置換基に番号をつけるときは番号が小さくなるようにします。

また置換基に小さくなるように番号をつけ、その中でもなるべくアルファベットの順番が小さいものに小さい番号をつけるようにします。



具体例




上の構造を考えてみましょう。

まず環全体の炭素数は

より7個でheptaneとなります。
この番号順は気にしないでください。

次にそれぞれの環を構成する炭素数で結合点を除いたものを並べます。
今回は
2つと4つのため、小さい順に[2.4]となります。


次に置換基に番号を振ります。
小さい環の結合点の隣からつけていきます。
シクロプロパンの方がシクロペンタンより小さい環のためシクロプロパンの結合点の隣の炭素から数えます。
シクロプロパンでは置換基に小さい番号をつけるため、メチル基がついている炭素から番号を付けます。
シクロペンタンではブロモとエチルが結合点から同じ距離にあります。
このときはアルファベットの順番が小さい方から番号をつけるため、ブロモに小さい番号が付くようにします。
よって1-methylと5-bromo、6-ethylとなります。

これらをまとめて書きます。
置換基をアルファベット順に並べて真ん中にspiroを書いて

5-bromo-6-ethyl-1-methylspiro[2.4]heptane

となります。

最後に

スピロとビシクロは時々どっちがどっちだが忘れてしまいますよね。
スピロは小さい環から、ビシクロは大きい環から数えることを頭に入れておきましょう!