やる気が出ないときにはどうすればよいでしょうか。
そもそもやる気とはどうやって生じる
のでしょうか。
今回はこのやる気についてまとめました。
やる気、すなわち動機付けの仕組みを知ることで自分のやる気をコントロールできるようになります。

動機づけとは

動機づけとはやる気のことです。
行動を起こし、その行動を持続させる心理的な過程のことを言います。

この動機づけのなかで、困難なことをやり遂げようとする気持ちのことを達成動機と言います。
この達成動機はアメリカの心理学者、アトキンソンが提唱したもので数式によって表すことができます。

達成動機=(成功達成傾向ー失敗達成傾向)×期待×価値

成功達成傾向:
成功したいと思う気持ちのことです。
失敗達成傾向:
失敗したくないと恐れる気持ちのことです。
期待:
その行動を自分が成功できるかという主観的な確率のことです。
価値:
その行動に対する興味や自分にとって必要だと感じることです。

この式からわかることは失敗達成傾向が大きいと達成動機は小さくなるということです。
すなわち、失敗したくないと恐れる気持ちが強いほどその行動へのやる気が出なくなるということです。
誰でも失敗はしたくないものですが、失敗を恐れすぎると何も行動ができないため、とりあえずやってみることが必要となってきます。

また期待や価値が0だと達成動機が0になります。
すなわち成功できそうもないし興味も価値も見いだせないことには手を付けられないということです。
その場合には難しすぎず、興味や価値を少しでも感じる別のことを探す必要があります。

まとめると、興味があって頑張ればできそうなことに対して一番やる気がわくということです。

学習性無力感

上記の式より難しすぎることにはやる気がわかないということがわかります。
難しすぎることだけをやっていると、何をやってもうまくいきません。
このように何をやってもできないから無駄だと感じ、何にもやる気が起きない無気力な状態になることを学習性無力感と言います。
無気力な状態では何に対しても興味もわかなく、うつになってしまいます。
これではやる気なんて何にもわいててきません。

このようなときには、簡単ですぐに成功できる小さな出来事を積み重ねることが有効です。
すなわち成功体験を少しずつ積み重ね、徐々に難易度を自分に合ったスピードで上げていく必要があります。

他の方法としては自分と同じような状況から成功した身近なモデルを見つけることです。
例えば自分と似た境遇から成功したの人の本を読めばどのように対処していったのかを学べます。
もちろん、普通の学生が副業で月数十万稼げるようになった話や普通のサラリーマンが株で数億円稼いだとかいう内容の本を読むべきと言っているわけではないので気を付けてください。
ただ、自分と同じような人がどのように生きていったのかを知ることだけでも無気力から少し抜け出せると思います。

マズローの欲求階層説

やる気とは欲求の一つであり、欲求には優先順位があります。
この欲求の優先順位を階層として表した仮説がマズローの欲求階層説です。
自己実現欲求:
自分の能力を発揮し、何かをやり遂げようとする気持ちのことです。
承認欲求:
自分が他者から認められ、高く評価されたいという気持ちのことです。
所属と愛の欲求:
家族や友人などの集団に属し、受け入れられたい、理解してもらいたいという気持ちのことです。
安全の欲求:
物理的に安全で経済的に安定し、安心したいという気持ちのことです。
生理的欲求:
睡眠や食料など、生きるために必要なものを満たしたいという気持ちのことです。

この欲求は下から順番に満たされていくと言います。
そのため、上位の欲求を満たすには下位の欲求を満たす必要があるのです。
すなわち、なにか自分の能力を発揮するようなやる気を出すためには、経済的に安定していて他人に受け入れられている状態でなければならないということです。

ワークモチベーション

仕事でやる気を出すにはどうすればよいでしょうか。
仕事のやる気は自分だけの問題ではなく、仕事の内容や会社の方針、職場の関係など環境も影響してきます。
しかし一般的に言われているのは、自分の裁量が大きいとやりがいを感じやすいということです。
要は仕事において自分で決められることが多いほどやる気が出るということです。

単純労働だと何も考えずに同じ動作を繰り返すため、人間らしさを感じられず、ストレスを感じてやる気を感じにくいです。
また仕事で、自然な感情を抑えて望ましい表情で働く、例えば笑顔で接客するなどの感情労働でもストレスを感じてしまい、やる気が阻害されてしまうことがあります。

そのため、仕事はなるべく役割の中で一定の決定権をもち、能動的に行えるようなものが好ましいです。
もちろん自分に合った仕事につくことは簡単ではないですが、理想として念頭に置いといてください。

まとめ

やる気についてまとめてみました。
まとめると、やる気を出すには失敗を恐れず、経済的に安定で人間関係も満たされている必要があることがわかりました。
こう聞くとやる気を出すのは非常に困難なことですが、マズローの欲求階層説はあくまで仮設であり、経済的に苦しく友達もいない人でも自分のやりたいことへ向かって努力している人はたくさんいます。

そもそも人間関係に悩みのない人は存在しないのですから、所属と愛の欲求、承認欲求を完全に満たしている人なんて存在しません。

またやる気は行動を起こすことによって生じるとも言います。
そのため、結局は失敗を恐れずとりあえずほんの少しだけやってみるのが大切ということです。
まあとりあえずやってみるというのが一番難しいですが、始めたら意外と続けられたりすることもあるので、本当にわずかでもいいので行動してみたらどうでしょうか。