化学でいうCVとはサイクリックボルタンメトリーの略であり、試料に電位を周期的にかけて電流の変化を見る測定法です。



こんな感じで3つの棒を試料溶液中に入れ、電源から電位を変化させることで作用極と対極で電子の受け渡しをし、その間にある溶液中の分子が電子を受け取ったり放出したりして電流が変化します。

すると以下のような電位と電流のチャートが得られます。



横軸が電位、縦軸が電流です。

注意すべきは横軸の電位は左に行くにつれて大きくプラスになっていくことです。

右端からスタートすると、電位をプラスにしていくと電流がマイナス側に大きくなって極小値ができていることが読み取れます。

これを理解するにはまず電位と電流の符号の関係を抑えておく必要があります。


まず電子はマイナスの電荷をもっており、マイナスの電荷はプラスに引き寄せられます。

電極の電位をマイナス側からプラス側にしていくと、電極は電子をもらいやすくなります。

すると分子のある電位より電極電位がプラスになると、分子から電子が電極側に移動するようになります。

分子から電子が取られることを酸化というため、この電位が分子の酸化電位となります。

よく用いられるサンドイッチ型の錯体であるフェロセンでその式を書くと

Fc→Fc++e-

と分子から電子が取られていきます。

そして電流は電極に正電荷が流れるのをプラスにしているため、電極に電子が流れるとマイナス側に大きくなるというわけです。

同様に考えると、電位がマイナス側からプラス側に行くと、電極電位がマイナス側に高くなり、分子側に電子が流れて分子が還元されるというわけです。