精神的な健康の定義とは?自分をわかってもらえているか。
精神的に健康な人ってどんな人でしょうか。
元気で明るい人でしょうか。
横柄な態度をとっている人や自己中心的な人でしょうか。
今回は精神的な健康の定義とそうなるための考え方についてまとめました。
ジョハリの窓
ジョハリの窓とは自分と他人が自分についてわかっているかを4つの場合について考えたものです。
窓というように、以下の4つの領域がある表として表されます。
開放領域は自分も他人も自分についてよくわかっている領域です。
秘密領域は自分がわかっているけれど他人がわかっていない自分のことです。
自分が他人に対して隠している自分や、隠れてしまっている自分のことですね。
精神的に健康な人
ジョハリの窓を使うと、精神的に健康な人を定義することができます。
精神的に健康な人とは自分と他人がわかっている開放領域が大きい人のことです。
すなわち自分の思っている自分と、他人の思っている自分が一致している状態のことです。
つまり自分をよくわかってもらえているということです。
このような場合だとそのままの自分で人付き合いができるために精神的に楽でいられます。
精神的に不健康な人
逆に精神的に不健康な人とは健康でない人です。
すなわち開放領域が小さく、自分をわかってもらえていない人です。
この場合、一部の人にでも自分のことをわかってもらえていないと精神的に崩壊してしまうことがあります。
そのため適度に自己開示をしていく必要があります。
自己開示とは
自己開示とは自分のことを周りの人に知らせることです。
具体的には自分がどんな人であるかとか、何をするのか・何が好きなのかといった情報のことです。
そしてこの自己開示には返報性という性質があります。
返報性とは、自分がされたことを相手にしたくなることです。
すなわち自己開示を自分からすることで、相手も自分に対して自己開示してくれるということです。
自己開示に限らず好意なども示すことで相手から返ってきます。
この返ってくる反応のことをフィードバックと言います。
これを利用してカウンセラーは患者のいいところを言ってあげることで患者の心を開いていきます。
自己呈示
自己呈示とは本当の自分とは違った自分を見せようとすることです。
例えば、自分をよく見せようとしたり怖く見せようとしたり、同情してもらおうとかわいそうに見せたりすることです。
この自己呈示は自己開示と違ってやればやるほど悪影響が及ぶ可能性があります。
なぜなら自分とは違った自分を見せようとするということは、むしろ本当の自分を隠そうとしているからです。
そのため本当の自分を出せなくなり、ありのままでいられなくなってしまうのです。
もちろんよく見られようと良いことをするのを続けることでそれが本当の自分になることもありますが、多くの場合は表面的にそう見せるだけで終わってしまいます。
しかしこの自己呈示が必要な時もあり、それは就活の面接のときとかです。
面接では短時間で好印象を得なければなりませんから自己呈示は必要となってきます。
自己評価維持モデル
自己評価維持モデルとは心理学者のテッサーによって提唱されたものです。
他人との関係性が自己評価に影響し、自分に対してよい評価を維持しようと行動することを言います。
具体的な行動としては友達・活動・情報を選ぶようなことが挙げられます。
この自己評価維持モデルには2つの過程があります。
比較過程
比較過程では心理的距離が近い人が関連性の高い部分で自分より優れていると自己評価を下げ、劣っていると自己評価を上げます。
例えば学校で同じクラスの友達が自分が得意な科目で自分より高いテストの点を取った時などは悔しかったり嫉妬しますよね。
このような場合、自分に対する劣等感を抑えるために言い訳をしますよね。
言い訳をするための行動をわざとすることをセルフハンディキャッピングと言います。
テスト前に全然勉強しなかったという言い訳とかですね。
勉強しなかったのだから点は取れなくても仕方ないし、勉強しなかったのに点が取れたら嬉しいですよね。
セルフハンディキャッピングをするといいこと尽くしのように思えますがそんなことはありません。
言い訳をすることで本当に結果が悪くなりやすいのです。
これを予言の自己成就と言い、自分で口にすることでそれを部分的にでも信じてしまい、本当になってしまうことです。
そのためセルフハンディキャッピングをすることはあまりいいこととは言えません。
反映過程
反映過程では心理的距離が近い人が関連性の低い部分で自分より優れていると自己評価を上げ、劣っていると自己評価を下げます。
例えば同じ出身校の友達が自分とは違う分野の仕事で活躍した時には自分も嬉しいですよね。
このような場合、その活躍している友達のことを自慢したくなりますよね。
この評価の高い人とのつながりを強調することで自分の評価も挙げようとすることを栄光浴と言います。
ポジティブイリュージョン
ポジティブ幻想とも言います。
これは自分について過大に肯定的に考えてしまうことです。
楽観的なことは精神にいいように思われますが、実際は現実を歪めて考えてしまっているということです。
そのため現実を正常に把握できないために周りとの関係性に悪影響を与えてしまったりと、結果的に精神的な悪化を招いてしまうのです。
まとめ
精神的に健康な人の定義やそうなるための方法、避けた方がいい行動について紹介しました。
適度な自己開示をすることでなるべくありのままでいられることが精神的に良く、その返報性によって関係性がよくなっていくということでした。
自分をわかってもらえない、わかってもらえる人がいないというようなときには、ここで紹介したことを思い出して意識することで改善できるかもしれません。
精神的な健康を目指して、自分の行動を振り返ってみてはどうでしょうか。
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